| 学部・学科/研究科名 | 岐阜大学大学院 工学研究科 |
| 講座名 | 起業家精神とイノベーション概論 |
| 対象者 | 全学科 |
| 担当教員 | 野田誠一、速水悟、山縣裕 |
講座の目的
製造業が成長するためには、イノベーションの実現として新製品開発や新技術開発が必須である。これら開発には企業内でも起業家精神を持った技術者の果たす役割は大きい。特に、中部地区のものづくり企業は、優れた技術を持ちながら下請けの形態が多い。下請け事業を脱却するために、起業家精神を持って新製品開発を担う人材が要望されている。この授業のねらいは、起業家や企業技術者に必要な考え方を理解することである。
本講義では、企業を知り、その事業の内容を理解し、事業を創る活動について理解することを学習到達目標とする。その為に、製造業の組織と技術者の役割、企業の価値判断、新商品企画、新規事業における知的財産の重要性を学び、新規事業の事例研究を相互の討論の形で行う。
講座スケジュール
| 日程 | 日付 | 講座内容 |
| 平成22年4月 | 14 | ベンチャー企業と起業家精神 (I 企業を知る) |
| 21 | 企業の組織と技術者の役割 (I 企業を知る) | |
| 28 | 企業経営と経済活力 (I 企業を知る) | |
| 平成22年5月 | 12 | 事業計画 (II 事業を知る) |
| 19 | 技術から経営へ (I 企業を知る) | |
| 26 | 起業家精神の醸成 (I 企業を知る) | |
| 平成22年6月 | 2 | ビジネスプラン研究A (II 事業を知る) |
| 9 | 商品企画・研究企画・品質管理 (II 事業を知る) | |
| 16 | 知的財産戦略 (II 事業を知る) | |
| 23 | もの作り経営における原価管理 (II 事業を知る) | |
| 30 | イノベーションと企業活動 (III 事業を創る) | |
| 平成22年7月 | 7 | イノベーションと企業家活動I (III 事業を創る) |
| 14 | ビジネスモデル検証 (III 事業を創る) | |
| 21 | イノベーションと企業家活動II (III 事業を創る) BOPビジネスとソリューションの共創 |
|
| 28 | ビジネスプラン研究B (III 事業を創る) | |
| 平成22年8月 | 4 | まとめ |
実施報告
第1回 ベンチャー企業と起業家精神
| 講義開催日 | 平成平成22年4月14日 |
| 開催場所 | 工学部103教室 |
| 担当教員 | 高村 徳康 客員教授 |
| 講義の内容 | 【ガイダンス】 16:10~16:20 (野田誠一教授) オリエンテーションとして以下を説明。 ・講義の概要(シラバス) ・講義の予定 【ベンチャー企業と起業家精神】 16:20~17:40 産官学融合本部 高村徳康客員教授の講義。内容は以下のとおり。 ・日本の株式会社数、その内に占める中小企業の割合、上場企業数について ・個人事業と法人の違い、法人の形態について ・NPO法人について ・中小企業及び大企業が抱える課題について ・ベンチャー支援について~2000年の起業家支援ブーム ・株式上場と日米の証券市場の構造について ・アメリカのベンチャー企業と名古屋の中小・ベンチャー企業について。成功と失敗の分かれ目。 ・起業をする上での良くある問題 ・失敗する社長の特徴 ・まとめ「人生で失敗しないために…」 【重点的に伝えた点】 日本における会社の数や、そのうちの中小企業の数。会社と個人事業の違いや法が定める会社形態の違い。 中小企業や大企業が抱える問題と、中小企業が今後の日本経済にとって如何に大事であるか。 日米のベンチャー・中小企業を比較するとともに、成功した事例・失敗した事例をもとに、成功法則と失敗法則について。 【学生からの質問等】 次のような感想や質問があった。 ・講義で説明した企業の具体的な事業内容 ・起業について分った。研究の進め方にも通じる。 ・海外と日本の起業家の違いを知りたい。 ・企業の内容について講義を通じて知りたい。 ・自分の人生を見つめ直す機会になった。 ・ベンチャー企業の成長過程を知りたい。 |
| 担当教員所感 | 熱心に講義を聞いてくれた。講義後の学生との雑談でも、この講義に対する期待を感じた。中国からの留学生で起業を考えている学生もいた。特に、日本と中国の「起業意識」の違い等を学びたいとのことであった。 |
| 使用教材等 | 「ベンチャー企業と起業家精神」 (高村徳康) (概要) 第1回 ベンチャー企業と起業家精神 講義内容.pdf |
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第2回 企業の組織と技術者の役割
| 講義開催日 | 2010年4月21日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 野田 誠一 教授 (産官学融合本部) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・講師自己紹介 ・トヨタ自動車と台湾勢中国攻勢の新聞記事(4/20,4/19)紹介 ・講義 - イノベーションとオープンイノベーションの定義について - アメリカ企業の戦略について(Open Innovation事例) - 企業組織(製造業)とその役割について - 技術者の役割について 1.技術者の仕事 2.求められる能力(Skill and Ability) 3.期待される能力(協調性,対話力,積極性,発想力,活力) 4.問題解決力(発生型,改善型,開発型,戦略型) - 技術者の喜びについて 目標性能を実現することは非常に困難であるが、意図した設計を達成した時の喜びはひとしおである。 - 技術者の仕事の事例について 機械部品メーカーの技術者が直面する、DecisionとRiskの事例(想定の話) - まとめ(製造業の組織と技術者の役割について) 【重点的に伝えた点】 技術者には技術力は勿論のこと、コミュニケーション能力、発想力、協調性なども求められる。仕事をする上ではDecision (判断)を求められる場面に遭遇するが、Riskを予想して対処することが大切である。その為には、日頃から短期中期の技術や環境の変化に注目して、将来を見据えた技術開発が大切である。 【学生からの質問等】 特に、講義内容についての質問はなかったが、最後の「技術者の仕事の事例」について、説明を求める意見があった。 『機械部品メーカーの技術者が完成品メーカーから次世代製品に使う部品の納期価格の紹介を受けた。』と言う架空の物語である。 |
| 担当教員所感 | 講義後のアンケートで、「技術者の役割が理解できた。」、「普段の授業では聞けない内容だった。」と言う意見があり、技術者の役割、技術者に求められる能力等については伝わったように思う。 |
| 使用教材等 | ・日経新聞記事紹介 日経新聞(4/19)から「台湾勢、対中「解禁」で攻勢」 「受託生産会社(ファウンドリー)」の紹介 日経新聞(4/20)から「トヨタ、早期の収束狙う」 「制裁金15億円支払いの決断」について、DecisionとRiskの事例として説明 ・「起業家精神とイノベーション概論」テキスト 第2回 「企業の組織と技術者の役割」(野田) (概要) 第2回 企業の組織と技術者の役割 講義内容.pdf |
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第3回 企業経営と経済活力
| 講義開催日 | 2010年4月28日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 江崎 禎英氏 (岐阜県商工労働部長) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・岐阜県の経済の現状について説明 ・岐阜県で実施している経済政策について説明 - 日系ブラジル人の帰国支援 - 廃業支援 etc. ・今回の不況から学ぶべきもの - マネーゲームに振り回される世界経済 - 企業経営の合理化・グローバル化によって生産活動が瞬時に影 響を受ける - 中国製品の品質向上によりビジネス環境は厳しさを増す ・景気動向に左右されにくいビジネスモデル構築の必要性 ・市場拡大期のビジネスモデルの落とし穴 - 見込み生産モデルは、製品の価値を自ら棄損 - 流通先行の経済では、産業が育たない(次の開発費が捻出できない) - 消費者は、安いことだけを求めているわけではない ・世の中に構造不況業種はない。勝手に自分たちで決めつけている だけ。過去の成功体験に縛られている。 ・現在の不況下でも高い収益を上げている企業は多数存在。 ・厳しい経営環境の中で、原点に返り、長期安定的なビジネスモデ ルを築く必要。 ・「ムダ取り」とは「要らないものを作らない」こと。 ・企業経営は、ゲームと一緒ではない。 【重点的に伝えた点】 ・「建築投資・公共事業」、「個人消費」、「就業構造」等の様々な分野からみた、地元岐阜県経済の現状について。 ・現在の不況下でも高い収益を上げる県内企業の戦略について。 ・ビジネスモデルを見直す視点について。 【学生からの質問等】 ・企業経営について、具体例を用いて説明したことは、「分かりやすい」,「興味深い」との意見が多く、好評であった。 |
| 担当教員所感 | 講義後のアンケート結果でも見られたように、グラフと表を用いて具体的に説明したことで、岐阜県経済の現状(景気動向,雇用動向)についての理解が深まったように思う。また、「起業家精神とイノベーション概論」の講義全体を通じて、次代を担う若い学生が、今後の岐阜県経済の活性化に寄与する人材となることを望む。 |
| 使用教材等 | ・「起業家精神とイノベーション概論」テキスト 第3回 「企業経営と経済活力」(江崎) ・「企業経営と経済活力 -事業活動に見る成功の条件-」(江崎) (概要) 第3回 企業経営と経済活力 講義内容.pdf |
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第4回 事業計画
| 講義開催日 | 2010年5月12日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 野田 誠一 教授 (産官学融合本部) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・トワイライトセミナーに関する案内 ・スズキの連結業績について(5/11 日本経済新聞記事より) 「インドの主力車Aスター33%増で利益が2.1倍になった」との記事で、固定費と変動費の構造の例示と売上高の変化で利益が大きく変化する事を説明。 ・講義 - 事業とは? - 経営資源(ひと、もの、かね、情報)を最適化し目標を達成! - 成長と適正利潤を上げて、社会的責任も負う。 -事業を計画するには・・・ -PDCAサイクル - ビジネスモデルは、5W1Hで具体的に計画する。 - 事業の寿命 →固定電話・携帯電話の例を参考に説明。 →最近、ビジネスの創業から衰退までのサイクルが非常に早い。 - 損益分岐点 (固定費と変動費) -市場調査、FS、リスク分析・・・ - 何故、事業計画が必要か? 1)頭の中にあることを書き出してみる →アイデアを企画へと高めていく 2)第三者に自分のやりたいことを伝える → 資金調達をする、金融機関、ベンチャーキャピタル、行政へ提示 - 事業計画の内容 - 事業計画の立て方 - 事業計画について(課題) →創業の手引き(日本政策金融公庫の資料)を参考に、技術的背景に拘らず、創業の計画として事業計画を作成する。 【重点的に伝えた点】 事業計画を立案するための色々な考え方を説明した。経営資源、事業の目的(成長と利益の確保)、目標の設定と見直し(PDCAサイクル)、費用の構造(損益分岐点等)、等である。 事業計画は、次の二点で大切である。 1)頭の中にあることを書き出してみる →アイデアを企画へと高めていく 2)第三者に自分のやりたいことを伝える → 資金調達をする、金融機関、ベンチャーキャピタル、行政へ提示 日本政策金融公庫の資料である「創業の手引き」を参考に、技術的背景に拘らず、創業の計画として事業計画を作成する課題を与えた。三週間後に発表会を開くこととした。 【学生からの質問等】 今回は、特に質問はなかった。 |
| 担当教員所感 | 事業計画を立てるために考えるべき点を説明した。事業計画の立案は、殆どの学生に初めてのことでもあり、特に制約を設けず自由に計画を立てることを課題として与えた。三週間後の発表会が楽しみである。 毎回、日経新聞を紹介しているが、スズキの連結業績に関する日本経済新聞記事(前日)を紹介し、売上高の変化率以上に利益が変動する実例を紹介した。「インドの主力車Aスター33%増で利益が2.1倍になった」との記事である。新聞を読むことに感心を持って欲しいと思っている。 |
| 使用教材等 | ・日経新聞記事紹介 日経新聞(5/11)から「スズキ、純利益5%増」 ・「起業家精神とイノベーション概論」テキスト 第4回 「事業計画」(野田) (概要) 第4回 事業計画 講義内容.pdf |
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第5回 技術から経営へ
| 講義開催日 | 2010年5月19日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 安井 秀夫 客員教授 |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・講師自己紹介 ・学生ビジネスアイデア募集の紹介 ・日本ガイシ(株)の紹介:ルーツ、製品、技術基盤、事業戦略 ・講師の研究開発から経営までの経験をベースに ・いろいろな勉強が必要(ヒト、カネ、モノ、専門外知識等) ・M&Aとは・目的・手段について ・日本の企業を対象とした買収・再建の活動事例 (合理化、黒字化など) ・欧米の企業を対象とした買収・再建の活動事例 (リストラ、レイオフなど) ・主要国の経済成長率、為替・株価の動向について ・グローバル社会に必要な人材(学生に望むこと) ・海外事情としてアメリカの文化、慣習などの紹介 ・最近の企業が求める人材について ・当日の新聞記事から事業戦略に役立ちそうな記事を5例紹介 【重点的に伝えた点】 ・社会人になったら、ポジティブな考え方と積極的な行動が大切。 ・他人と違った特徴を持つこと。 ・社会へ出たら語学(英語会話)は不可欠。 【学生からの質問等】 特になし |
| 担当教員所感 | ・学生は非常に熱心に聴講してくれた。 ・岐阜大学は比較的に保守的な学生が多いが、この講義の学生は意欲的で事業に関心のある者が集まっている感触を得た。 ・学生からはグローバルに活躍したい、他人にない技術を持ちたい などの意見があった。 ・この講義「ベンチャー企業と起業家精神」は学生にとって非常に有意義な講義になっていると推察する。 |
| 使用教材等 | ・「起業家精神とイノベーション概論」テキスト第5回(P51~P67) 「技術から経営へ」(安井) ・日経新聞記事紹介: 日経新聞(4/1):日本ガイシの事業拡大 日経新聞(4/2):経済界が求める人材 日経新聞(4/30):「社会人基礎力」の3つの能力 日経新聞(5/19):当日の朝刊から記事5例 (概要) 第5回 技術から経営へ 講義内容.pdf |
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第6回 起業家精神の醸成
| 講義開催日 | 2010年5月26日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 稲葉 芳久(現株式会社INBプランニング 代表取締役) |
| 講義の内容 | ・Preludeとして、社会人及び製造業ベンチャーとしての経験から、働く上での心構えについて説明。 ・グローバリゼーションの進展で、日本の給料は上がらない。一方で海外の給与水準は上がるのではないか。それ故、ベア・定昇を期待するのではなく、個人の能力Upのみが個人の価値として給与に反映されていく傾向がもっと強まっていくのではないか。 ・廃タイヤの処理を行う事業を立ち上げ。廃タイヤをどのように集めたか(新規事業の一例) →トヨタに行きプレゼンをおこない安定供給先とした。 ・起業には公的支援機関を利用すべき。公的支援機関からの承認は、企業に箔をつけ、社会的信用を得るチャンスである。 ・視覚障害者向けの信号機製作(新規事業の一例) →ゴムに着色する技術の開発。 →障害者の意向を徹底的に調査。 →新たな需要を自分で開拓する。 ・ベンチャーは単にリスクを取るのではなく、綿密な計画によりリスクを回避できる。 ・会社の数年後の絵(事業計画)が描けるのか。自分のやりたいことが自分でイメージできないとダメ。銀行は夢(将来性)にお金を貸してくれない。 ・会社の事業価値さえ上げられれば、資金調達の選択肢が増える。 →頭を使え。 ・Pay-Out-Year≒投資の一番簡単な目安:設備投資額を3年以内に回収できるか。 ・ベンチャー企業もグローバリゼーションは避けられない。コミュニケーションスキルUpは必要不可欠となる(自分の思いをきちんと伝えられるか)。 ・製造業ベンチャーとは設備投資をすること。高リターンな設備投資が出来た場合のみ成功する。 |
| 担当教員所感 | 今回の講義では、自分自身が52歳で起業してから現在に至るまでの活動を中心に、具体的事例を混ぜながら講義を行った。 まず、社会人として自分自身を磨き自信を持つことは、他人からの信頼にも繋がり、今後の人生には非常に大事な部分である。このことは、ベンチャー企業を起業するのにも重要と考える。 この講義に出席した学生が夢と情熱を持ち続け、今の日本をリードするような社会人あるいはベンチャー企業起業家になることを期待する。 |
| 使用教材等 | ・「起業家精神とイノベーション概論」テキスト 第6回 「起業家精神の醸成」(稲葉) (概要) 第6回 起業家精神の醸成 講義内容.pdf |
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第7回 ビジネスプラン研究A
| 講義開催日 | 2010年6月2日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 野田 誠一 教授(産官学融合本部) |
| 講義の内容 | ・日本経済新聞(6/2)記事紹介 ・受講生が作成した創業計画書から、優れたビジネスプランを7件発表。発表者は当該プランを作成した受講生。発表時間は1人5分間、その後、質問や意見交換を5分間実施。 【発表者】 (1) 「墓の清掃」(生命工学専攻) (2) 「喫茶店」(生命工学専攻) (3) 「DVDレンタル」(応用情報学専攻) (4) 「ホテル業(女性専用)」(応用情報学専攻) (5) 「教育学習支援業(託児所)」(人間情報システム工学専攻) (6) 「海外のお菓子を扱った小売業」(応用情報学専攻) (7) 「学習塾(ただし大学生向け)」(電気電子工学専攻) ・受講生の創業計画書に対して、他の受講生及び講師から質問や提案等があり、活発な意見交換が行われた。 |
| 担当教員所感 | ビジネスプランを作成するのは、今回が初めてという受講生が大半であるが、日々の生活や環境に潜むビジネスシーズや、自身の興味に基づいたビジネスプランが多く出され、荒削りながらも優秀なものが多く見られた。 一方、ビジネスプランの作成に際し、事前に簡単に説明をしてあったが、手法等理解の低い学生も散見された。 これまでと違い、受講生間での意見交換が中心となる本講義では、受講生の積極的な発言が飛び交い、各人の経験や知識に基づく具体性のある改善提案も多く出され、講義時間が不足するほどの盛況となった。 今回の講義を通じ、学生のモチベーション向上や講義内容に対する理解促進、受講生間の一体感醸成に資することができたのではないか。 |
| 使用教材等 | ・日経新聞(6/2)記事「味は譲らず時代に対応」 ・第4回「事業計画」の課題として、学生が提出したビジネスプランのうち7例。 (概要) 第7回 ビジネスプラン研究A 講義内容.pdf |
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第8回 商品企画・研究企画・品質管理
| 講義開催日 | 2010年6月9日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 山縣 裕 教授 (金型創成研究センター) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 内容のまとめ ・幼い頃に両親を亡くしたため、小学生時代から妹と自分のお弁当を作り登校していた。その時からの「食」へのこだわりは一生続くこととなる。 ・事業に失敗する度に、何か人の役に立つことはないかと周囲を見渡すと、いくらでもヒントは見つかった。 ・50歳手前で無一文となった安藤氏は、「失ったのは財産だけで、その分、経験と知識が身についた」と考えた。 ・安藤氏は、「失敗は、失敗のノウハウでしかない」と、息子である宏基氏に説いた。 ・会社を興すにあたり、自分の満足と他人の満足の両方の達成を目指した。 ・徹底した現場主義で、即席麺の開発から商品ロゴのデザインに至るまで、何から何まで自分でアイディアを出し、行動した。 【重点的に伝えた点】 今回の講義では、起業家の成功事例について、実在の人物を取り上げて紹介したことで、受講生にとって、良い刺激になったと思われる。 |
| 担当教員所感 | ビデオの準備に手間取り、まとめの講義内容を伝えることができなかった。しかし、起業とはいかなるものか、覚悟が必要であるということは、伝わったと思う。商品企画・研究企画・品質管理の内容はすべて包含されている。 |
| 使用教材等 | 平成22年5月に全4回で放送された、NHK番組「こだわり人物伝」より、「安藤百福 遅咲きのラーメン王」を講義で上映した。 なお、全4回のうち今回上映したのは、第1回「48歳の青春」、第2回「君子 豹変(ひょうへん)すべし」、第3回「父と子の“フードバトル”」である。また、テキストとして、「商品企画・研究企画・品質管理」山縣執筆配布。 (概要) 第8回 商品企画・研究企画・品質管理 講義内容.pdf |
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第9回 知的財産戦略
| 講義開催日 | 2010年6月16日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 野田 誠一 教授 (産官学融合本部) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・日本経済新聞(6/16)記事の解説 (武田薬品工業の3新薬追加の記事) 製薬業界は2010年問題(多くの薬が特許切れを迎える。)で、収益の落ち込みを抑えるために新薬を投入している。 ・第2回講義の補足 技術者の仕事の事例(DecisionとRisk)から、技術者に期待される能力や問題解決力等、必要となる力について解説 ・学生のビジネスプラン募集の紹介 ・講義 - 知的財産立国(知的財産重視政策)について 背景として、日本の国際競争力の低下と80年代の米国政策 知的財産重視政策のこれまでの実績 - 知的財産権制度の趣旨、目的、種類等 - 特許制度、不正競争防止法、著作権制度について 目的、保護内容、活用 - 企業の特許戦略(従来型) 特許で市場を独占:医薬品メーカーの例 徹底した他社特許の回避:キャノンの複写機の例 製造技術の秘匿:シャープの亀山工場の例 他社特許の導入:通信規格等の国際標準製品の例 - 新しい特許戦略 技術をOpenとCloseに峻別し、Close領域で普及を図り、Open領域で利益を稼ぐ。 【重点的に伝えた点】 従来型の特許戦略は、独占型、他社特許回避型、秘匿型、他社特許導入型とあったが、単独または独立した特許をライセンスイン、ライセンスアウトすることが議論されてきた。しかし、新しい知的財産戦略では、核となる技術をOpenとCloseに峻別し、Close領域で普及を図り、Open領域で利益を稼ぐ形でビジネスを展開する辞令が出てきている。 【学生からの質問等】 以下の質問要望があった。 著作権についての詳細、特許と起業との関係 特許権の取得方法、発明者と企業の権利の授受、特許係争等 |
| 担当教員所感 | 特許を中心とした知的財産権については、アンケートでも「理解できた。」と言う意見が幾つかあった。 アンケート結果で見ても、企業を考えている割には知的財産権制度について十分な理解がないように思えた。学部の講義構成を含めて、今後の課題と考えます。 また、特許に関して権利の取得方法、発明者と企業の権利の授受等の疑問が出たが、既に学部で学んでいるものとして今回の講義の範囲外とした。更に、特許に関する企業間の係争について詳しく知りたいとの質問も出たが、公にならに部分もあり難しい。 |
| 使用教材等 | ・日経新聞記事紹介 日経新聞(6/16)から「武田が3新薬追加」 ・「起業家精神とイノベーション概論」テキスト 第10回(野田) (概要) 第9回 知的財産戦略 講義内容.pdf |
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第10回 もの作り経営における原価管理
| 講義開催日 | 2010年6月23日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 木内 寛之 (木内経理研究所) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 著者作製のテキストに基づいて進行。 1.経理とは、原価とは、損益分岐点と限界利益で目的説明。 2.原価管理のシステム、帳票類について説明。 3.経済性工学について 原価管理の重要性を会社活動全体の中(経理)で位置づけ解説された。とくに、会社方針と原価管理の関係について力説。原価の7つの区分原価内訳図について説明。原価表の具体例を提示し、その複雑さを解説。 損益分岐などについて質問あり。 |
| 担当教員所感 | 企業の利益、経費について学生の立場とは違うということを把握させた。工学の学生のため原価になじみが全くなく、もう少し時間をとって演習を入れても良いように感じた。 |
| 使用教材等 | 「もの作り経営における原価管理」(木内 寛之) (概要) 第10回 原価管理 講義内容.pdf |
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第11回 イノベーションと企業活動
| 講義開催日 | 2010年6月30日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 速水 悟 教授(工学部) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・企業活動で重要な二つのイノベーションとして,破壊的イノベーションとオープン・イノベーションの概要を講義形式で紹介した。 (1)破壊的イノベーション 1.イノベーションのジレンマ 2.持続的技術と破壊的技術 3.破壊的技術のモデ(図解) 4.性能曲線の比較 5.スピンオフ (2)オープン・イノベーション(対クローズド・イノベーション) 1.オープン・イノベーションのパラダイム 2.事例紹介(P&G) 3.コネクト・アンド・ディベロップ 4.イノベーションに対する経済的圧力 ・次回までの課題として、OLPCとオープンイノベーションについての課題を配布した。また「イノベーションと企業家精神:その原理と方法」を配布し,読書課題とした。 ・グループワークのためのグループ分けを行った。 【重点的に伝えた点】 ・日本企業は、市場の要求性能を超える高性能と割高なコスト体質の危険性があるため、破壊的技術の挑戦を受ける側であること。 ・企業が外部のアイデアやテクノロジーを活用するために重要なことは、組織として取り組むことと企業文化の改革である。 ・開発途上国におけるイノベーションの普及のケースとしてOLPC の事例を紹介した。 |
| 担当教員所感 | ・講義用の資料の作成がたいへんだったが、内容をまとめる良い機会となった。 ・内容が多岐にわたり、講義が駆け足になってしまったが、学生たちは、熱心に聴いてくれた。 ・次回までの課題と読書課題を課したので、講義時間以外の時間に学習してくれることを期待した。 |
| 使用教材等 | ・「起業家精神とイノベーション概論」第11回 テキスト 第11回 イノベーションと企業活動概要.pdf ・「イノベーションと企業家精神:その原理と方法,P.F. ドラッカー著,上田惇生訳,ダイヤモンド社 (1985) 」 ・「OLPCとオープン・イノベーションについての課題」 第11回 課題v2.pdf ・「One Laptop Per Child: Vision vs. Reality, Kenneth L. Kraemer, Jason Dedrick, Prakul Sharma, Communications of the ACM, Vol.52, No.6, pp.66-73 (2009).(翻訳:速水)」 第11回 OLPCpp1-2.pdf ・「P&G: コネクト・アンド・ディベロップ戦略,ラリー・ヒューストン,ナビル・サッカブ,DIAMOND・ハーバード・ビジネス・レビュー,2006年8月号」. |
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第12回 イノベーションと企業家活動I
| 講義開催日 | 2010年7月7日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 速水 悟 教授(工学部) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 はじめに前回の課題について各グループで話し合った。内容は、OLPCがどのような破壊的イノベーションの性質を持つかと、開発途上国において普及のための留意点は何かである。また、P&Gの事例について、オープン・イノベーションを実施するための企業内の取り組みについて話し合った。その後、グループとしての意見をまとめて発表させた。 つぎに、ドラッカーの「イノベーションと企業家精神:その原理と方法」の内容のうち、イノベーションの七つの機会について、概要を講義した。 また、グループ討議の課題として、ビジネス・プラン作成についての説明資料を配布し、その内容を説明した課題は、IT技術を活用した再生可能エネルギー、または、開発途上国における社会的課題を解決するためのビジネス・プラン作成である。 【重点的に伝えた点】 前回の講義で紹介した破壊的イノベーションとオープン・イノベーションについて、グループ討議と発表を行ってもらい、重点的に伝えた。 ドラッカーのイノベーションに関する著作を読書課題として配布するだけでなく、要点を解説した。 |
| 担当教員所感 | グループ討議では、熱心に話し合っており、発表の内容も充実していた。講義だけでなくグループ討議と組み合わせたことで、破壊的イノベーションとオープン・イノベーションについての理解が深まったと思う。 グループ討議と講義のために、ビジネス・プラン作成のためのグループワークの時間を講義時間内には十分に確保できず、時間外に各グループで話し合ってもらうことになった。 イノベーションのための七つの機会についての講義内容とビジネス・プランとの関連も議論したかったが、時間不足だった。 学生たちは、ビジネス・プラン作成のためのグループワークにも非常に熱心に取り組んでいた。 |
| 使用教材等 | ・「起業家精神とイノベーション概論」第12回 テキスト 第12回 イノベーションと起業家精神I pp1-2.pdf ・ビジネス・プラン作成についての説明資料 第12回 グループ討議の課題2.pdf |
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第13回 ビジネスモデル検証
| 講義開催日 | 2010年7月14日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 高村 徳康 客員教授 |
| 講義の内容 | 【講義内容】 ・決算書に載らない会社の「価値」とは ・それらをどう表現したら良いか? ・まずは3点セットを作成しよう ・1.事業計画書 ・2.中期経営計画 ・3.資本の政策 ・事業計画書には何を盛り込むか? ・ビジネスパートナー別のチェックポイント ・事業計画書の項目別ポイント(1)~(5) ・VCはどんな会社に投資するか? ・日本公認会計士協会の事業評価基準(1)~(3) ・経済産業省の目利きの観点(1)~(4) ・成功した事業計画書と失敗した事業計画書の実例6つ 【重点的に伝えた点】 会社の決算書に載らない価値とは何か。また、企業経営者はそれら決算書に載らない会社の価値を如何に他人に伝えれば良いのか? 事業計画書の一般的な留意点と項目別のポイント、プレゼンテーションする際の留意点。 実際にあった良い事業計画書(実例)、悪い事業計画書(実例)から、事業計画書の重要性、作成や説明のポイントの理解を深める。 【学生からの質問等】 講義後のアンケートで次のような意見があった。 ・実例が多く為になった。 ・経営するときの心構えが分った。 ・良い説明資料のイメージが湧いた。研究発表にも通じる。 ・事業計画書で、どう伝えるかが大切。就職活動でも明確な計画のある会社を選びたい。 |
| 担当教員所感 | 実際の事業計画書の事例を示した上で、良い点/悪い点を説明したので、学生は良く理解してくれたようだ。 自らの起業の際の事業計画書作成に役立つことを期待します。更に、就職活動でも企業を見る目が養われたとしたら大変良かった。 |
| 使用教材等 | 「ビジネスモデル検証」(高村徳康) (概要) 第13回 ビジネスモデル検証 講義内容.pdf |
| 教材・配布資料、その他 | ![]()
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第14回 イノベーションと企業家活動II (BOPビジネスとソリューションの共創)
| 講義開催日 | 2010年7月21日 |
| 開催場所 | VBL(Venture Business Laboratory) 3階 会議室 |
| 担当教員 | 速水 悟 教授(工学部) |
| 講義の内容 | 【講義内容】 はじめにドラッカーの「イノベーションと企業家精神:その原理と方法」の後半の内容を講義した。主に、四つの企業家戦略を紹介した。 つぎに、「BOPビジネスとソリューションの共創」について、概要を講義した。また、開発途上国において、社会的問題を解決するための取り組みの事例を紹介した。 残りの講義時間においては、グループワークとして、ビジネスプランの検討を行った。 【重点的に伝えた点】 四つの企業家戦略のうち、企業家的柔道と破壊的イノベーションは共通する部分が多い。 BOPビジネスを成功させるためには、慈善活動や企業の社会的責任活動だけでは不十分である。 |
| 担当教員所感 | 年間所得3000ドル以下の収入で生活する途上国における低所得階層のために、ソリューションを共同で創りあげる活動を行っている多国籍企業の活動事例を知ってほしかった。 かつでは、日本企業が米国の企業に対して、ドラッカーのいう企業家的柔道などの戦略を実施して成功してきた。ところが、現在は、日本企業に、NIH (not invented here) 症候群や過剰な機能を追及するなどの危険性が見られることを伝えたかった。 ビジネス・プラン作成のためのグループワークの時間をもう少し確保したかった。 |
| 使用教材等 | ・「起業家精神とイノベーション概論」第14回 テキスト 第14回 イノベーションと起業家精神Ⅱpp1-2.pdf ・「BOPビジネスとソリューションの共創」 第14回 BOPpp1-2.pdf ・「世界を変えるデザイン―ものづくりには夢がある、シンシア・スミス著、槌屋詩野監訳、北村陽子訳、英治出版 (2009) 」 |
| 教材・配布資料、その他 | ![]()
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第15回 ビジネスプラン研究B
第16回 まとめ
今後の講座実施に向けた示唆
| 今年度の成果・反省点 | 今年度の成果としては、新規に開設し予定した人数の学生が集まり、学生の期待に応えられた点が挙げられる。教員及び支援者で、昨年10月から総計5回の準備委員会を開き、講義の全体計画、講師の選定、テキストの作成、等々を進めてきたことが奏功したと考えられる。 本学の学生気質から想定して、“起業家”よりむしろ“企業の技術者”を想定した講義を考えたが、意外に“起業家”を意識した学生が集まった。来年からは、講義の最初に受講生の意識調査も入れると有効かと考える。 毎回の講義後に受講生からアンケートを収集し、難易度、速さ、理解度、満足度を聞いた。講義者で多少のばらつきはあるものの、満足殿高い部類に入る講義であったと思われる。 課題を与えてグループで作業する機会は理解を進めるために有効と思われる。この点は、最後の学生からの意見を聞いても、受講生もそのように考えている様だ。今回は難しかったが、学生に一度発表させて、指導した上で検討時間を与えて改善させるプロセスも有効かと考える。 |
| 来年度に向けての展望等 | 検討課題として、次の点が挙げられる。 【講義内容の整合】 総勢7名の講師が担当した。事前に担当部分の内容や意味付け等を相談したものの、不足の部分もあった。現状で大きな問題は無いと思われるが、再度、各講義間の整合を何らかの形で図る必要がある。 【講義時間】 博士前期課程(修士)の科目として、新設であるために、どの曜日のどの時限に開講するかが悩ましい。学科によって、既に色々な講義、ゼミ、実験等が計画されているために、どの時間帯を選んでも都合の良くない学科(学生)が出そうである。曜日と時限は検討課題となる。 【講義の構成】 毎回のアンケート結果等を見たところ、外部講師の方々の講義とセミナーでの懇談は,学生たちに好評であった。引き続き、外部講師の方々の講義は続け、講義時間外の懇談の場ももう一度くらい増やして設定することとしたい。 |















































